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庄司 充

今までのやり方が通用しない・・・

最近、大手企業からの相談が急激に増えています。

みなさん、「もう今までのやり方では限界です。」と言うのです。

さらに「本社や本部が出してくる方針が、どうにもならないぐらいずれている・・・」とも。

どうやら大手企業も現場レベルでは、今までのやり方が通用しないことへの危機感がそうとう強くなってきているようです。

わたしの印象では、90年代の後半あたりから、まず中小企業が「なんだかおかしい」ことに気がつきはじめ、2000年代に入るといよいよ「これはまずい!」と、必死に模索をはじめました。

それに遅れること10数年、やっと大手企業も「なんとかしなければ」と本気で思いはじめたようなのです。

なぜ、今までのやり方が通用しなくなったのか?

そもそも今までの営業のやり方とはどんなやり方なのか?

それはひとことでいうと「行動量に依存した個人まかせの営業」のことです。

日本は60年代に入ると急速な経済成長が始まりました。

国民の所得は年々増え続け「モノを買う」「レジャーを楽しむ」といった需要が急激に増え、それを供給が後を追うという状況が、それから30年近くも続いたのです。

こうした右肩上がりの成長市場では、モノはつくれば売れます。

営業は行けば売れたのです。

どんなに下手な営業でも100件も回れば1件や2件は契約が取れました。

営業の中身よりも、とにかく客先にたくさん行くことが重要であり「売れない営業マンはさぼっている」という方程式が成り立っていました。

だから、当時の営業リーダーは、とにかくさぼらせないことにだけ注力していれば目標を達成することができたのです。

こうした単純な営業方法が通用しなくなったことに、ようやく大手企業も気がつきはじめたということなのです。

気がつきはじめたというよりも、気がついていたものを認めざる負えなくなった、本気で手を打たなければならなくなったということなのでしょう。

しかし、手を打とうにもそもそも原因がわかっていません。

原因がわかっていないのですから、どうしていいかもまったくわからないという状況なのです。

バブルの崩壊から景気の低迷、リーマンショック等々 売れなくなった原因と思われている要素はいくつもあり、それが一因であることはまちがいないでしょう。

しかし、もっと本質的な原因はそんなことではありません。

今までのやり方が通用しなくなったもっとも本質的な原因

それは「需要と供給のバランスが変わった」ことなのです。

「供給過剰」これが現在の市場の本質です。

急速に増える需要を、供給が後追いするかたちで成長してきた市場はとっくに終わり、今は供給過剰の成熟市場に劇的に変化しているのです。

成長市場では、モノは「買うのが前提」で、買う理由は「ないから買う」という単純なものです。

ところが成熟市場では、"ほしいもの"も"ほしい理由"も人によってちがいます。

答えがひとつではないのです。

だから、成長市場では有効だった「できるだけ早く、できるだけたくさん、熱心に何回も通う」という手法が通用しないのです。

営業マンの行動量だけを担保していればよかった時代はとっくの昔に終わっているのです。

この状況はアベノミクスで景気が回復したとしても変わりません。

景気がよくなれば、また昔のように戻れるのではないかと思っているのならそれはまちがいです。

成熟市場では、市場が求めているものを察知しながら、つねに「こうすればもっとよくなるのではないか」という仮説を立てて、すぐにやってみて検証するというくり返しが必要なのです。

このように仮説検証を回すためには、営業がチームとして機能している必要があるのです。

・情報を共有して

・成功パターンをつくって

・全員で検証する

という仕組みをつくって、チームで運用するノウハウが必要なのです。

これが営業におけるマネジメントです。

カギを握るのは、指揮をとるリーダーのマネジメントスキルです。

リーダーが変わればチームは変わります。

「営業がうまくいかない、今までのやり方が通用しない」と感じているのなら、やることはひとつ、リーダーのあなたがマネジメントのスキルを身につけることなのです。

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