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リーダーが「ダメな自分」を認められれば活路が開ける

営業チーム強化コンサルタントの庄司充です。

(今号は「権力関係の中での人への接し方はなかなか変わらない」の予定でしたが、少々予定を変更してそれは次号に回します)

前号では「目的不在の指示からは部下の知恵は出てこない」という話をしていました。

「会社の大掃除をする」という目的を言わずに「明日はTシャツを着てくるように!」という指示だけをしていたワンマン社長のもとでは、社員は怒られないこと、ミスをしないことのほうに頭が行ってしまい、全員が白のTシャツになっちゃうみたいな、いちばん無難なところにいこうとする思考停止の状態になってしまうという話をしました。

開米:そりゃ当たり前ですよね。「大掃除」をするためのTシャツだってことを言ってないんじゃあ・・・

庄司:そう思いますよね。目的を言わずに指示を出すのがその社長の悪い癖だったんです。だから私はまず社長にそこから変えていきましょう、と言いました。「何をしろ」と指示を出すだけじゃなくて、「何のために」ということをきちんと説明してください、と。開米さんがもしそう言われたら、なんと答えそうですか?

開米:私ですか? うーん、ちょっと言葉に詰まって、「・・・そうですね、わかりました。今後気をつけます」という感じでしょうか。実際すぐに行動が変わるとは思えませんけど、とりあえず返事は前向きに(笑)

庄司:理屈は理解しても人の行動すぐには変わりませんからね

まあそれはともかく、目的をきちんと語ってください、と私が言ったら、その社長さんは、さっきも言いましたけれど、こう答えたんです。

「なんでワシがそんなことをいちいち言わなきゃあかんのや!」

開米:これってある意味気持ちがいいぐらいの、絵に描いたようなワンマン社長ですね。

庄司:ははは、まあ、見方によってはすごく素直な言葉ですよね。悪気はないんです。

開米:でもただの高飛車な人物だったら社員20人の会社は作れませんよねえ?

庄司:そうなんですよ、素直で純粋な部分もあるから、特に女性社員なんかには好意的に受け入れられる愛されキャラなところもあるんですよ。わんぱくな子供みたいなもんで、手がかかるんだけれど可愛い、みたいな感じなんでしょうね。ワンマンだけれど悪意は全然無くて、自由奔放な発想のアーチストタイプとでも言いますかね、極めると岡本太郎になる、的な(笑)

開米:なるほど~

庄司:ほんと、その社長のアイデア力はすごいものがあって、70近いのに若い女性にウケる雑貨系の商品バンバン作るんですよ。

開米:ふむふむ

庄司:ただ、本人のアイデア力と天然の愛されキャラで会社は大きくなったものの、組織としてのマネジメントは全然出来てませんでした。なので、その会社にとっては、

1.社員が自分で考えて動けるように仕向けつつ

2.それを組織としてマネジメントができるようにする

ことが大きな課題でした。そこで「社員が自分で考えて動けるように」する上で障害になったのが社長のその悪い癖だったわけです。

開米:「目的不在の指示」ですね

庄司:そうなんです。だからそこは改めてください、ということを根気よく言いました。はっきり変わってくるまでに半年ぐらいかかりましたね。

開米:半年ですか!

庄司:もちろん、それだけではなくて他にもいろいろな課題を解決しながらの半年でしたけどね。

開米:半年かかりはしたものの、変わったわけですね?

庄司:ええ、それで半年経ったときに社長さん、こう言ったんです。

「やっぱりリーダーが大事や!」

これだけ見ると別になんということもない言葉なんですけどね。でもその間に、その社長は「思いついたらすぐに最後の結論だけを指示する」スタイルから、何のために何をするのか、目的を明確な言葉にしてそれがきちんと社員に伝わるようにしっかり台本を考えて喋るように変わっていたんです。そうしたら、社員の動きが良くなってきた。目的に沿って工夫をして動くようになってきたので、「問題が起きてから社長が指示する」んじゃなくて、「問題を予測して社員が手を打つ」ようになってきた。それを実感していたんですよ。

開米:ある意味、自分がリーダーとしてダメだった自覚宣言みたいなもんですね。

庄司:そうなんです。リーダーの役割にもいろいろあると思いますけど、部下が動きやすいような環境を作ってやるのがリーダーの役目、という場面が絶対あるんです。それが必要なのに出来てなかった、ということをしみじみ感じて、そこから素直に出てきたのが「やっぱりリーダーが大事や!」という言葉だったんですよね。

開米:ワンマンだけれど素直なリーダーですね。

庄司:ダメなところを自覚したらあっさり受け入れて素直に変えようとする、そういう素直さはすごいです。それもリーダーに必要な資質のひとつなんじゃないでしょうか。それができれば、誰かが助けてくれるんですから。

開米:それが出来れば、ということは・・・・できない、パターンもあるんでしょうね?

庄司:ありますよ。非常に良くあるのが、実は、会社のナンバー2が辞めちゃう、というパターンです。

開米:ナンバー2? え、そうなんですか?

庄司:そうなんです。というのは・・・

続きは次号にて、「権力関係の中での人への接し方はなかなか変わらない」編です。

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