なぜ、営業マンは日報を書かないのか?
Q.営業日報を書かかせたいのですが、なかなか習慣化できません。
どうしたらいいでしょうか?
これは、ほんとうによくあるお悩みです。
なぜ、営業マンは日報を書かないのか?
原因を考えてみましょう。
答えは
「めんどくさいから」です。
身もふたもない答えですが、事実なのでしかたありません。
では、なぜ、めんどくさいのか?
それは「書くメリットがないから」です。
マネジャーの側は、営業日報を書いてもらうことで
"現場の状況を把握する"というメリットがあります。
ところが営業マンからすると、自分はわかっていることを
上司のためにわざわざ時間をかけて書かなければならない
わけです。
自分にメリットのないことに余計な手間をかけなければならない。
そりゃあ、めんどくさいですよね。
しかも、手間ひまかけて書いても、なんのレスポンスもなく
読んでいるのかどうかもわからないとしたら、なおさらです。
では、どうすればいいのか?
それは
「営業マンに書くメリットを感じてもらう」ことです。
メリットというのは、具体的には
・書いた内容について感想をもらえる
・書いたことによって、数字に表れないがんばりをほめてもらえる
・営業内容について具体的なアドバイスがもらえる
・アドバイスによって実績が上がる
といったことです。
こうしたメリットが感じられれば、営業マンは積極的に
日報を書くようになります。
わたしは、クライアント企業さんに「いいことメール」というものから
はじめてもらうことがあります。
どういうものかというと、毎日仕事が終わったら、ひとことでいいから、
その日のなかでよかったこと、うれしかったことをマネジャーと
メンバー全員に携帯の一斉メール(今ならライン?)で送ってもらうのです。
たとえば、
・今日、○○さんへの提案がうまくいった
・○○会社さんが、納品の早さをほめてくれた
・○○さんが、先日納品した○○をすごく喜んでくれていた
などなど、なんでもいいのです。
なんにもなければ「天気がよかった」とか「昼に食べたカツどんが
うまかった」でもかまいません。
1分もかからない作業です。
それでも、営業マンに抵抗感がある場合は
「試しに1ヶ月だけやってみて、みんなにメリットがあれば
続けるし、なければやめよう。」
と、伝えます。
こうして、しぶしぶでもスタートしてみると
おもしろい現象が起こります。
短い文章とはいえ、全員からその日のよかったことが
送られてくるので、マネジャーも目を通すのが楽しくなります。
うれしい内容が多いので自然と返信したくなります。
こちらも短い文章でOKです。
「おお、よかったな!」
「その提案いいな」
「それはうれしいなあ。」
などなど。
そうすると営業マンもうれしくなって、もっとくわしく伝えたい
という気持ちになってきます。
そんなキャッチボールが行われるようになると、おもしろいことに
メンバーからの報告がどんどん長文になっていきます。
そして、いつのまにかいいことだけでなく、困っていることや
悩みの相談までしてくるようになるのです。
つまり、もともと営業日報に書いてほしかった内容に
どんどん近づいていくわけです。
意味のわからないことをむりやりやらせるのではなく
そのことによって、どんなメリットがあるのかを
しっかり伝えて、理解してもらうことが大切ですね。
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