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「社長はビジョンを熱く語れ」 第3話

■シリーズ第3話:社長が「ビジョン」を語った会社で起きたこと


 さて「社長はビジョンを熱く語れ」シリーズも第3話。今回は怒ってばかりいた社長がおもわず社員の言葉にハラリホロリと落涙してしまったエピソードをご紹介しましょう。


 第2話で私は「ニコニコ指数」の話をしましたが、高校時代以来の私の友人である飯田社長が経営するオフィスクリーニング用品のレンタルサービス会社も、まさにニコニコ指数ゼロの典型のような会社でした。

 何しろ売上は毎年右肩下がり、このままではジリ貧なのは明らかなのに、社長から見ると「社員があまりに危機感がないことに腹立たしく」なり、「社長は営業会議ではついつい怒らずにいられない」という状態が続いていたんですね。


 その飯田社長がこれではマジヤバイ、なんとか会社を建て直さなければならない、と真剣に考えた末、私のアドバイスを受け入れてまずは「会社のビジョン」を真剣に考えました。日々の業務に忙殺されてあいまいになっていた、「この会社が社会に対して提供する価値」をとことん考えて、言葉にしたのです。そしてその結果・・・・


■事例:社員が飲み会でビジョンを唱和してくれた!!


 それは飯田社長が「ビジョン」を考えて口癖のように常にそれを語り始めた3ヶ月後、ある飲み会の席でのことでした。

 突然、社員一同が立ち上がって一斉に「ビジョン」の唱和を始めたのです。予想もしていなかった出来事に、いつの間にか飯田社長の目には思わず光るものが・・・・

 いつも怒ってばかりいた社長を覚えている社員一同がそれを見て、鬼の目にも涙と呼んだかどうかは定かではありません(笑)



■庄司's Eye:人は自分の役割が欲しいもの


 大企業ではときどき「退職勧奨に応じない社員を飼い殺しにする」というケースがありますよね。出社はさせて給料は払うけれど仕事は与えず、朝から夕方までただ時間を潰すだけの立場に追い込む方法ですが、何もしないで給料がもらえるんだからいいじゃないか、とは思えないもので、たいていみんな耐えられず辞めてしまいます。


 人は自分の役割が欲しいんですよね。仕事をするのはお金を稼ぐためですが、それだけではなく、人の役に立ちたいと思うものなんです。これは大事にしなければいけません。「ビジョン」というのは、「自分が社会の中でどんな役に立っているか」ということを明確にする言葉なんです。それが、仕事へのやる気を、活力を奮い立たせる大きなエネルギーになるんですね。


 ちなみに、飯田社長が考えた「会社のビジョン」とは、一言で言うと


  「私たちは、町をキレイにするキレイコンサルタントになる」


 というものでした。この一言で、社員達はただのクリーニング用品の配達屋さんから、「キレイコンサルタント」に変わってしまったのです。


■願い:素直に共感できるビジョンが欲しい


 私は今まで直接・間接合計すると約50社の営業チーム作りに関わってきましたが、どの会社でもまっさきに手を付けるのが「ビジョン」を明確にすることです。これがすべての始まりであることを、そのたびに確信してきました。

 社員が素直に共感できて、この目標めざして今日も仕事をがんばろう、と思えるようなビジョンは、会社を上昇軌道に乗せる第一歩なんです。



■庄司の問い:「ビジョン」を考えるときに必要なポイントとは?

 ただし、「ビジョンが大事」なのは確かですが、単に「人の役に立つ」こと語るだけのビジョンは現実離れしやすいものです。営利企業である会社という組織のビジョンを考えるときは、「人の役に立つ」以外に押さえておかなければいけないポイントがあります。それは何でしょうか?


 その答えは、次の更新にて!

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