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「社長はビジョンを熱く語れ」 第5話

■シリーズ第5話:人は「本気でやる」人の仕事に参加したいと思うもの


 さて、前回は、まずは社長自身が本気になって「こうありたい」と願えるビジョンを作ることが欠かせない、ということを書きました。

 社員のやる気を引き出すためにはこれが必要なんです。


 R社の場合、ビジョンを作る前は


  社員が毎日のルーチンワークに追われて疲弊する一方で、

社長は社員が新規開拓に力を入れないことを不満に思って怒る


 という状態でした。

 これは珍しいことではなく、こういうギャップができてしまう会社はとても多いんです。

 社員と社長の意識にはどうしても温度差があります。特に中小企業の創業社長というのは一代で事業を興して、新しいチャレンジを実践して会社を大きくしてきた人が多く、自分のように高い意識を持って創意工夫できない社員をどうしてももどかしく思う傾向があります。


 R社も例外ではありませんでしたが、そのR社が「ビジョン」を作った後はこう変わりました。


■事例:社員が自然に顧客に「提案」をするようになった!


 R社が「私たちは、街の「きれいコンサルタント」として、きれいにしたいときは「○○に相談しよう」といわれる会社になる」ということを目的に掲げてビジョンを作った結果、それまでは「ただのクリーニング用品配達屋」のように仕事をしていた社員達の間に、「きれいコンサルタント」としてのプロ意識が生まれてきました。


 すると、配達のために客先を短時間訪問するだけでも、ちょっとした「きれいじゃないところ」が目につくようになります。

 そこで社員達は、ちょっとした「提案」をするようになりました。

 「お客様、このあたりがちょっと汚れてますよね? こういう汚れにはこんな製品がよく効くんですよ。これひとつ置いていきますので、試しに使ってみてください」

 といったほんのちょっとした提案をするようになったんです。


 今までは1日に何十社も回って配達をするというそれだけで疲弊していた社員達なのに、「きれいコンサルタント」という自覚が生まれただけでそんなちょっとした工夫をするようになったんですね。


■庄司's Eye:人は「本気でやる」人の仕事に参加したいと思うもの


 ビジョンを作る前のR社というのは



 こんな感じで、社員が「社長に仕事を押しつけられている」と感じているような状態でした。これだとどうしても「社長がうるさく言わないと社員が動かない」ですし、うるさく言われてやるような仕事ぶりではクオリティも上がらないんですね。


 理想的なのはこういう状態です。




 社長と社員が力を合わせて同じ目標に向かっている状態。

 いいですね~、こうなれたら、いいですね。

 社長というのはどうしても孤独なものです。ガミガミうるさく言って社員を従わせていても、かえって孤独感がつのったりします。


 私、庄司充のクライアントさんは実は「ガキ大将だった子供が大人になった社長」タイプが多いです。ガキ大将といっても子供のことですから「おもしろいからこれやろうぜ!!」と周りの子供を巻き込んで一緒に遊んでいた、そんな子が大きくなって事業を興して社長になった、というタイプが多いんですね。


 そうして社長と社員という関係になり、指揮命令関係が出てきていつの間にか気がついてみると「おもしろいからこれやって遊ぼうぜ」ではなく、ガミガミうるさく命令して組織を動かすことになってしまうのは、本来の性格とは違うこともあって余計に孤独感が募り、1人で悩んでしまっています。


 この状況を打開するために必要なのは、まず何よりも必要なのは、社長さん自身が「本気になって目指す会社のビジョン」を作ること。そしてそれを熱く語ることです。

 でも、いくら熱く語ったって1人じゃできません。つまり、社長がそれを本気になってめざし、熱く語れば語るほど、誰かの力を借りなければならない、弱い立場になります。

 ところがそうすると不思議なもので、力を貸してくれる人が現れるんですよ。




 不思議ですね。でも、人は「本気でやる」人の仕事に参加したいと思うものなのでしょう。そう考えればあたりまえのことなのかもしれません。

 社長から社員に命令するのではなく、社長の本気の願いが社員の自発的な協力を呼ぶのです。


 というわけで・・・・社長はビジョンを熱く語りましょう

 中小企業は結局のところ生きるも死ぬも社長次第です。アタマから湯気が出るほど必死に真剣に会社のビジョンを考えて、それを熱く語ってください。まずはそこが最初のスタートなんです。


 これにて、「社長はビジョンを熱く語れ」シリーズは終了です。5回に分けてお届けしてまいりましたがいかがでしょうか。これが営業に悩める社長さんの力になることを祈っています。

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