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「全員意見を言う」が悪影響を起こさないための配慮とは?

前回、「ミーティングでは全員意見を言うのが鉄則です」ということを書きましたが、実は開米さんとひとしきりその話題で盛り上がった後、気になる話が出てきたのです。

開米:あ、庄司さん。この「ミーティングでは全員意見を言う」鉄則って、ちょっと心配な面もありますね。

庄司:心配というと何がですか?

開米:たとえば本心とは違うことを無理矢理言わせてしまうようなことになる可能性はありませんか?

庄司:ああ、必ず何か言わせますからね。あり得ない、とは言えないです。

開米:人間って結構、「言動が一貫している人間だと思わせたい、自分でもそう思いたい」ところがあって、無理矢理言わされたこと、あるいは軽い気持ちで口にしたことであっても、一度他人の前で言ってしまうとそれを後から否定しにくい性質があるんです。で、これをですね・・・悪用することもできます。

庄司:え、悪用ですか・・・

開米:たとえば営業で言うと、個人ごとに月の売上目標を決めたりするじゃないですか。で、月初めに、気が進まないけどなんとなくみんなと同じに言わなきゃいけないような雰囲気があるから「今月の目標は3000万です!」とか言っちゃったとします。そうやって一度言っちゃうと、月末にそれを「やっぱり2000万に下げます」・・・なんてのはやりにくいわけです。自分でも言い出しにくいし、たとえ言い出しても今度は上司から「お前、自分で建てた目標だろ」とか責められるわけですよ。実際には「空気」に強いられたものであっても・・・

庄司:ああ、いわゆるブラック企業でありそうな典型的なパターンの1つですねそれは。

開米:悪用とまでは言えませんけれど、たとえば今多くの会社で導入されている目標管理制度について、その点の不満や問題点の指摘がよくされてますね

庄司:なるほど・・・ そういえば、リクルートのミーティングというかチームマネジメントでは、そういう問題を起こさないような運用をしてましたね。

開米:たとえばどういうところでしょう?

庄司:リクルートという会社のいいところは、とにかく積極的であることや挑戦することをよしとする文化があることなんですね。黙っているよりトンチンカンであっても意見を言うことを評価するのと同じように、簡単な目標をかかげて達成する人よりも、高い目標を自ら掲げて積極的に挑戦しようとしている人を評価し応援します。多少無謀と思えるような目標であってもその目標設定を認めたということは、"リーダーや周りのメンバーも達成できるように全力でサポートするぞ"ということなんです。

だから、それをお前個人の責任だからお前が頑張れ、自分で言ったんだろ、死ぬ気で売ってこい、みたいに突き放すことはありません。できないメンバーがいたら、なにが悪いのか原因を探ったり、凹んだ分の売上を上げたりするのに他が協力するんです。じゃあ、なんでみんながそんなことをするかというと、自分がそうやって育てられてきたからなんですね。それがリクルートの文化です。

新規事業が次々に生まれるのも"言いだしっぺが自らやってみる、それを周りがサポートする"という文化のたまものだと思います。

たしかに、減点主義でやってきた企業やそこで育ってきた幹部社員が目標管理制度なんか導入してもこうはならないでしょうね。むしろ逆効果になる。

開米:なるほど! そのへんがぜんぜんちがうんですねえ。リクルートのような社風があれば確かに、この種の問題は起きないと思います。うまくやってるもんですねえ~!

庄司:こういうこと、今まで考えたことはなかったんですけどね。リクルートではこれが普通だったので、意識することもなくやってたことなんですが、そう考えるとハッキリ意味があったんですね。いや、私も勉強になりました。

開米:私もです! ありがとうございます!

というわけで今回も開米さんとの営業チーム話は終了です! 「ミーティングでは全員意見を言う」原則、安易に応用すると問題を起こす可能性もあるようですが、それをわきまえて運用すれば間違いなく良い効果をもたらしてくれます! ぜひ、参考にしてください!

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